2013年9月1日日曜日

「移動者マーケティング」から「拡張現実技術」の価値を再考した。

■「移動中」のユーザーへの積極的なアプローチを研究した一冊





私たちが、「拡張現実(AR)技術」に携わり続けている理由のひとつに、情報が氾濫し続けるからこそ、将来はユーザーにとってインパクトがある情報が必要になってくると予測していることがある。最近「移動中」のユーザーに対してアプローチをするデジタルサイネージなどが多く目につくようになり、これも情報氾濫の中で、今後成長する広告手法ではないかと考えいていた時に、「移動者マーケティング」という本を知ることができた。

私たちの購買の意思決定のひとつに「移動中」というシチュエーションがある。この本はそのユーザーシチュエーションにフォーカスを当てている。ユーザーインタビュー結果のデータも掲載されており大変参考になった。下記はこの本のポイントとなる内容と気になったデータを幾つか紹介して、最後にそこでの「拡張現実技術」の価値も少しお話したいと思う。

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■商品を記憶させる障壁が高くなっている


生活が豊かになっている現在では、ほとんどの買い物が既に持っているものの買い替えにすぎない。また1日に触れる情報量がインターネットの影響で爆発的に増えているために、商品をユーザーの記憶に残すことが大変難しくなっている。

■移動中の意思決定に関するデータ


来店の4割は来店してもしなくても良かった顧客。その中での6割はお金が使われている。

■駅でのユーザーの消費心理


首都圏の場合は、「移動中」に購買意欲により購入する店舗の大半は駅、もしくは駅周辺である。実際に購入をしたユーザーの深層心理は以下のように分類されることができるようだ。

「スイッチ系」:仕事帰りや仕事前など、状況が変化するタイミング。週末の出張の帰り道にお酒を購入するなどもこのケース。
「ご褒美系」:仕事を頑張った理由で購入するケース。女性がこの傾向が多いようだ。
「出会い系」:ふらっと入店して何かお気に入りの商品が見つかればいいな、と考えるケース。退屈感や不安感から現状を変える何かを求めているケースもあるようだ。

この中で最も多いのは「スイッチ系」で女性は7割、男性は5割とのこと。

■移動中ユーザーへのアプローチの考え方


移動中のユーザーへの広告アプローチは、いまそのユーザーが「どのような状態であるか」を推測する必要がある。つまり年代別で区切るペルソナだけでは難しく、ユーザーの場所と状況を想定して商品のアプローチをしていく必要がでてくる。

■欲求を引き出す広告


移動中ユーザーに対して必要なアプローチのひとつに「シズルクリエイティブ」がある。これはユーザーの欲求を直接的に換気させる広告である。その商品情報を既に知っているユーザー(ロイヤル層)の記憶を引き出すだけでなく、まだ商品を知らないユーザー(未経験者)にとっても強い影響力を与えるようだ。
※細かなデータは書籍を参照していただければと思います。

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■情報取得後に五感に訴える、I/Oとしての「拡張現実(AR)技術」


街を歩いていると、スマートフォンを手にしているユーザーが多くなっていることを感じる。移動中で必要な情報が得られるために、事前に情報を準備して買い物をすることが必須ではなくなってきた。そうなった場合、街に出てから商品を調べるケースが増え、直前で購入の意思決定がされるケースが多くなる。また、事前に購買準備をしない状況が増えると、結果的衝動買いも増え、購入前の自身の心理的状況も左右される。
「拡張現実(AR)技術」はセンサー系技術や3D技術など様々な技術要素の総称である。技術を応用することで、ユーザーの状況を判断・取得・整理後に適切な情報を、ダイナミックな表現で伝えることが可能であるため、購買直前でのユーザーへの情報アプローチに適しているとも捉えられる。

最近、AR技術の話題が増え始めているが、まだ「表現のAR」のみにフォーカスされていることが多い。レイ・フロンティアは今後AR技術の活用は、「インパクトがある表現」だけでなく「ユーザーの状況を応じた情報のアウトプット」に必要な基礎技術として利用されると考えている。私たちはそのような推測のもと、これからも近い将来必要とされる技術やサービスの開発や研究を今後も進めて行きたいと思う。

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レイ・フロンティア株式会社
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(JR東日本 2013年夏のキャンペーンに採用されています)。